◆柳澤顕  Yanagisawa Akira   最善の方法、それはCGだった

正直、一見一番とっつきそうなイメージのする柳澤氏の絵。 なぜなら、手元資料にある彼の絵が、モノクロで複雑でなにがなんだかよくわからないだけでなく、とにかく情報が集まらないので、さらに頭がピーチクパーになる。

だが、かろうじてかき集めた下記サイトを注意深く読むと、徐々に彼の魅力が炙り出されてきた。

なんと彼は作品を全てパソコンのイラストレータで制作するらしい。 手元資料を見る限りでは(手元資料ばかりですみません)、とてもイラレで作られたものとは思えない複雑で有機的な絵である。

イラストレータの方がいろんな形を組み合わせやすく制作しやすいとのことで、なんのためらいもなく使用しているとのこと。音楽で言うと思い出すのが、同じく電子音で表現の可能性を大幅に進化させているu.k.の有名ロックバンド"radiohead"だろうか。 

なぜモノクロにこだわるのかはわからないが、いや実は私が知っているのは彼の作品の一部で、実は80%はカラフルな作品なのかもしれないが・・・ とにかく、モノクロで混沌としているにも関わらず、不思議とどこか「やさしさ」や「やわらかさ」を感じるところが、「風景ルルル」たる理由だろうか。


◆展示を見て◆

一番とっつきにくそうなイメージだった彼の作品は、やっぱりとっつきにくかったです。笑

けれど、四方になれべられた異なるコンセプトの絵の躍動感と迫力には目を奪われます。
そして、モノクロの世界の中一際目を奪われた1つの複雑な作品は、なんと6色使用されているとか。
一見モノクロ、すなわち黒一色かに見えながらも何か違う、深みと言うか、やさしささえも感じるその作品に、完全にコンピュータで作られたと言われる彼の作品が目指すものが、「単純さの積み重ねで複雑な世界ができあがっている」と言うアトミズムの証明であることが伺えた気がしました。

<プロフィール> 1980 群馬県生まれ
1997  多摩美術大学校友会奨学生
2003 筑波大学芸術専門学群洋画コース卒業 
2005 京都市立芸術大学大学院修士課程美術研究科油画専攻修了
現在 京都市立芸術大学大学院美術研究科博士(後期)課程油画領域在籍
2005 P&E 2005(アートコートギャラリー/大阪)
2006 博士課程中間展「interim show」(京都市立芸術大学/京都)
   P&E 2006(アートコートギャラリー/大阪)
   incubation06ーつかの間のもの、永遠なるもの
   (京都芸術センター/京都)
2007 new generation:層の奏で -Playing in Layeres-
   (アートコートギャラリー仮スペース/大阪)
個展(石田大成社ホール/京都)

<要チェック!WEBサイト>
+gallery zeroの紹介 (作家に関する簡単な紹介文)  http://www.ne.jp/asahi/hp/galleryzero/artists/yanagisawa/artists_yanagisawa_t.htm
+ex-chamber museumの紹介 (作品写真・展示レポート)  http://ex-chamber.seesaa.net/article/83950592.html
+勝手にRECOMMENDの紹介 (個人的な応援コメント)http://www.recommend.ecnet.jp/20080211yanagisawa.html
+art galleryの紹介  http://www.artcourtgallery.com/images/artists/html_atist/yanagisawa_akira.html

「風景ルルル 〜私のソトガワとのかかわりかた〜」 アーティスト一覧

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◆ブライアン.アルフレッド Brian Alfred 911を通して覚醒した映像作家
◆内海聖史 Uchiumi Satoshi  果てしなく続く「色」の可能性との闘い
◆柳澤顕  Yanagisawa Akira  最善の方法、それはCGだった
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◆小西真奈 Konishi Mana 途方もなく寂しくて、美しい
◆照屋勇賢  Teruya Yuken?モノに内在する意味を創造する
◆佐々木加奈子 Sasaki Kanako 過去の悲劇に関わり続ける勇気
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