◆小西真奈 Konishi Mana 途方もなく寂しくて、美しい
彼女の絵を見ると、なぜかとても寂しくなる。この想いはノスタルジー? 孤独? それとも恋?
「いや、違うな・・・なぜなのだろう。・・・コニシ、君だからか!」とシャア風につぶやきたくなる。(わからない方すみません)
夢に出てきそうなどこかの自然や公園の風景が、柔らかく、どこか深い情感を持って描かれており、そしてそこに人がたたずんでいる。
ただ、人の動きがあまりに無表情で、寂しそう。「どうしたの?」「大丈夫?」と思わず声をかけたくなる。(あるいは、あまり関わらずに逃げたくなる)
それでも、不思議なことに・・・これは本当に不思議なのだが、どの絵もとても美しいのだ。 こんなにも寂しくて、違和感を感じて、声をかけるか逃げたくなるかする絵なのに、見入ってしまう。
これは、どうやらこれは遠近法の「ゆれ」や現実離れした色彩などによるらしい。「この世のものとは思えない風景」を、実際に撮った写真や絵葉書などから描き出す小西さんの絵は、写真では絶対に起こすことの出来ないリアルからバーチャルへの変容であるとともに、コミュニケーションなのだと思う。
◆展示を見て・ご本人の話を聞いて◆
「実際にある写真を撮って持ち帰って、実際にはありえない、ペインティングの中でしか表現できないものを描きたい」と言う小西さんの絵は、実物を見て、やはりどこか寂しげだ。
しかし、どれも間違いなく美しい。 それは、絵からやや離れて全体をぼんやりと見つめるた時に、真価を発揮するようだ。
しかし、ご本人は、直でお話はできなかったが、活発で明るい印象を受ける女性だ。
今回の展示の中では、あらかじめ調べたり、見た印象と、実際に見た絵とのギャップがもっとも少なかった。
<プロフィール>
1968 東京都生まれ
1993 コーコラン・スクール・オブ・アート卒業, ワシントンDC
1994 メリーランド・インスティテュート・インターナショナル・グラジュエイト・フェローシップを受ける
1996 メリーランド・インスティテュート・カレッジ・オブ・アート, ホフバーガー・スクール・オブ・ペインティング修了, ボルチモア, メリーランド州(卒業絵画制作賞受賞)
1996 エセル・ロレイン・バーンスタイン記念賞 絵画部門優秀賞受賞, コーコラン・スクール・オブ・アート, ワシントンDC(2000年にも受賞)
2002 S&R ワシントン賞受賞
現在、東京都在住
個展
1999 「ポラロイド ─ スモール・オイル・ポートレイツ」, モッツ・マーケット・アーツ, ワシントンDC
2002 「The Other World」, 土日画廊・Art M, 東京
2003 「美しい場所」, Space Kobo&Tomo, 東京
主なグループ展
1993 「ウォーク・ザ・ゴッデス・ウォーク」, DCAC, ワシントンDC
1994 「肖像画 ─ 7人の作家による油彩と素描」, ジョージタウン大学, ワシントンDC
1995 「スパービア ─ 新進作家ビエンナーレ」, WPA, ワシントンDC
2001 「BOXアート・ストリート」, SK画廊, 東京(他都内5箇所)
2003 「トーキョーワンダーウォール公募2003」, 東京都現代美術館, 東京
<要チェック!WEBサイト>
+東京オペラシティ 文化財団での紹介
http://www.operacity.jp/ag/exh57.php
+関心空間(解説・口コミ・画×1)
http://www.kanshin.com/keyword/1263680
+JDN(画と解説)
http://www.japandesign.ne.jp/GALLERY/NOW/konishimana/
+ミクシィコミュ
http://mixi.jp/view_community.pl?id=221643
「風景ルルル 〜私のソトガワとのかかわりかた〜」 アーティスト一覧
◆鈴木理策 Suzuki Risaku 自然の声が聞こえる写真