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「草アート」   県立美術館という名のチャンス  

モダンなロダンのロマン 中

< ロダンの名言の数々 >

 時として天才と変人との言葉の差は紙一重である。

名言1 ””芸術はただ感情なのだ””

名言2 ””私は裸に本当に崇拝の念を抱いています””

名言3 ””ここより入るものは全ての希望を捨てよ””(『神曲』地獄編)

県立美術館には「ロダン館」というロダン彫刻に親しめる最高の環境が用意されています。

が!一体ロダンとは何者なのか??まず、それが問題であります。

そこで、今回はそのロダンの波乱万丈の人生をダイジェストで紹介しようと思います。

ここで、興味を持ったらしめたもの。

県立美術館はあなたにとってかけがえなき美の殿堂として、あなたの人生に彩りを添えてくれる事でしょう!

さて、今回はロダンが遂にその才能を遺憾なく発揮し、大作を作り上げていく中盤です。

 <今再び明かされるロダンのロマンな生涯>
(中盤)

名実ともにロダン最大の彫刻『地獄の門』は、実は完成していない

もともとは1880年、パリの装飾美術館の門をつくって欲しいとの依頼を受けてつくり始めたもの。
ところが、ロダンはその注文にあまりに感動し過ぎて
その構想を練りに練っている間に結局まとまらずに没してしまったのだ。
この事を知っている人は以外に少ない。
1900年に一応形にはまとまったが、今世界中にあるロダンの「地獄の門」は実は未完の大作だ
(しかもその門の扉は開かない)。

だが、『地獄の門』を考える上で彼は数多くの素晴らしいアイデアを得、
『接吻』『永遠の青春』と言った代表的な彫刻を単品として生んでいく。
おなじみの『考える人』も、『地獄の門』の構想から生まれたものである。
『地獄の門』はイタリアルネッサンスの巨匠ダンテの『神曲』地獄編を下地にしており、
地獄に堕ちた人間の苦悶、悲劇を生々しく表現したものであり、
その上から裸の筋肉質男が悩ましげにそれを見下ろしていると言う設定だ。

そして、ロダンはもう一人の女、若いカミーユと出い、
なみなみならぬ才能をもった彼女を自分のもとに置き、下彫りをさせたりしていた。
二人は1890年よりリレット城に滞在し、その関係の絶頂を迎えた。
だが、そこにおいても、なおロダンはローズの事を忘れなかった。
やがて、ロダンはローズのもとへ戻って行く。
だが、ともあれロダンは、若いカミーユをもって、
さらに女性の裸像への情熱をかきたてられたのであった。

< 続く >

(参考資料)現代世界美術全集『ロダン・ブールデル』 1971 集英社

 『ロダン』モニック・ローラン 1989 中央公論社

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