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A・B
使命に燃える弟橘比売命ではあったが、やはり人間としての限界があった。
どんなに必死になろうとも事態は一向に好転せず、
襲い来る波と風に船が大きく傾いたその時、
弟橘比売命は足を滑らせ海の中に落ちてしまった。
彼女が最後に見たものは、海から突き出た大岩に船体を激しくぶつけ沈没していく船と
そこからなげだされる夫の姿であった・・・
( 完 )
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