エド・ウッド |
いきなりですが、総括した感想を言うと、 「極めて変で抜群に面白い映画」だと感じます。 時は1987年冬、場所は雪に覆われたノース・ダコタ州。 タイトルでもある静かな町、ファーゴを主な舞台にして、 世にも奇妙な事件が起こります。 自動車セールスマンのジェリー・ランダーガード。 多額の借金を負い、早急に大金を必要としている彼は、 自分の妻ジーンを偽装誘拐する計画を立てます。 ジーンの父親が自動車業界の大物であり、 非常に裕福である、という点を狙ったのです。 そこで、整備工場で働く元囚人から紹介してもらった、 カールとグリムスラッドに犯行を依頼をします。 しかしひょんなことからグリムスラッドが必要の無い殺人を犯し、 その事件がブレイナードの女性警察署長、マージを呼び、 やがて事態はジェリーの意図を遥かに外れて進んで行きます。 とまぁ、ストーリー(殆ど導入ですが)はこんな感じです。 なんとも行き当たりばったりな犯人や、 徐々に事件を追い詰めていくマージと、 必死に逃れようとするジェリー、 クライムサスペンスなのにとても人間臭さを感じます。 で、この後は更に不要な殺人が起きたり、 あるいはマージに少々胸の痛む展開もあるなど、 そう・・・非常に重苦しい展開になるのですが・・・。 この映画、コーエン兄弟が撮っているんですよね。 独特且つ秀逸な映像センス、実に巧みな組み立て能力を持つ二人。 ファーゴはその兄弟の最高傑作とも言われる作品です。 事実この映画は、カンヌ国際映画祭での最優秀監督賞、 アカデミー賞オリジナル脚本賞などを受賞してもいますし。 重苦しい殺人事件ばかりが連続し、 特に明るいジョークが多いわけでもない「ファーゴ」ですが、 見る人間はただ只管のめり込んでいくばかり。 気分が沈む暇など与えない、そんな雰囲気ばかり感じさせない。 雪の白さを皮肉なまでにコントラストに活かし、 あっけらかんと、しかもほぼ無計画に行われる犯行の描写と言い、 殺人事件そのものをくだらないと一蹴するように、 それでいてどこまでもスリリングに書き上げた脚本と言い・・・。 またスティーブ・ブシェミが凄く不気味で、 なんとも言えない味を出してるんですよね。 彼の人相を、目撃者がただひたすら「変な顔」、 と語るシーンには思わずニヤリとしてしまいました。 間違いなく・・・面白い!! この映画、オススメです。 |
「エド・ウッド」 1994年 米 監督 ティム・バートン 出演 ジョニー・デップ / マーティン・ランドー サラ・ジェシカ・パーカー / パトリシア・アークェット ビル・マーレー / ジェフリー・ジョーンズ ヴィンセント・ドノフリオ 他 |
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