川・・・・、「川」と呼ぶには頼りないが、しかし、どことなく生ぬるく、覗き込むのに躊躇いを感じずにはいられない存在感のある「川」。 この川の水源は、そう・・・首塚稲荷神社向こうの斜面付近だ。首塚稲荷神社といえば、ヤマトタケルの時代の豪族たちの首・梶原氏の乗馬の「首」、今川氏の世継ぎ争いの舞台と関わりがある。多くの人々が争いを通して血を流し、その血はそのまま川に注いだ。 その地には血が染み込み、やがて大地から川へと滲み出る・・・滲み出る。そして今も。 躊躇いつつも、その小さな川を覗く。そこには多くの無念・怨念・想いが血とともに流れる。なまぬるい空気の中、寒気を感じてはっとし、息を呑む。体中になんとも言えぬ重たさが入り込んだのを感じた。 |