草薙闇紀行－オープニング

オープニング

　蒸し暑い夏の日だった。　静岡県立大学の学生はいつもの夏の恒例行事　きもだめしをすることになった。　
　　静岡県立大学の周りは夜１０時を過ぎると全く人通りはなく、茶畑と田んぼと森が広がっているだけなので、きもだめしにはちょうどよかった。
　　古い歴史のある草薙には出典の定かでない伝説がいたるところに残っていた。
　周辺の家々の明かりが消えてゆく頃県立大学の学生数人が、県大に集まってきた。
　今夜彼らは二組づつに分かれ、草薙周辺の神社などを回ることにした。