至福の3時間  第13回

ご無沙汰致しております。
せっかく頂いたお役目にも拘らず、
更新が遅れ、誠に申し訳御座いません。
少しでも楽しんで頂けるよう努力することで、
謝罪と代えさせて頂きます。
それでは早速ですが、
本日の作品紹介の方に移らせて頂きます。


カットスロートアイランド


本日のご紹介は某超大型遊園地でも御馴染み、
カリブの海を荒らしまわる海賊の物語、
カットスロートアイランドです。

先に少しでも楽しんで頂けるように、とは申しましたが、
実はこの映画、それ程世間の評価は高くありません。
世間の評価がさほど高くない、と申しますのは、
恐らく脚本に捻りがない、と言う点かと思います。
しかし、一見して頂く価値は大いに御座います。

時は17世紀、大海に覇を競う無数の海賊団。
星の如く現れては消えていく夢追い人達。
主人公はそんな海賊の一人、モーガン(ジーナ・デイビス)。
女だてらに父より受け継いだモーニングスター号を駆り、
祖父の遺した莫大な財宝を狙います。
しかしそんな大業が一筋縄で完遂する筈はありません。
裏切り者の叔父ドーグ(フランク・ランジェラ)が、
同じく財宝を目指し妨害を仕掛け、
狡猾な知事が欲を剥き出して財宝を横取りしようと目論見ます。
挙句は信頼していた仲間達にさえ裏切られる始末。
こんな状況で唯一頼れるのが奴隷市場で買った詐欺医者。
ハッキリ言ってコイツがまるっきり信用できない男なんですが、
残った数人の腹心は腕力のみです。頼るしかありません。
こんな状況でもそこは筋金入りの海賊頭。
財宝を手に入れようと必死になるわけです。

というのが大筋です。
確かに何処かで見ました感は否めません。
実を言うとキャスティングも可もなし不可もなしです。
悪くも無いけれど大して華もありません。
ジーナ・デイビスは確かにカッコいいんですが、
あれじゃ普通に男です。女海賊って感じがまるでしません。
時代考証もそこまでリアルではありません。
じゃぁ、何を持ってオススメなんだ!と言うことになりますね。
さぁ、長いヒキでしたがセールスポイントに参りましょうか。

セールスポイントはズバリ帆船です。
本物なんです。登場する帆船が。
普通外観だけ組んで中身はセットで録るんですが、
この映画は本物の帆船を組み上げ、そこで撮影しているのです。
しかも実際にその帆船で航海してます。
しかも、この帆船、最後に丸々ぶっ壊します。
戦闘シーンからとにかくダメージを与え続けた上、
大量の火薬を詰めてドガーン!と。
撮影に失敗したらどうする気だったんでしょうね。
流石にダイハードのレニー・ハーリン。
とにかくその爆破の迫力たるや見たことありません。
戦争映画より火薬量凄いんじゃないでしょうか。
他にも街のセットを惜しげもなく大爆破しますし。
スター俳優が出てないわけだ、そんなにセットにお金掛けてりゃ。
爆破スケールが物凄い。本当にいいんでしょうか、コレ。
見終わった後で「つまらなかったー」等と思う暇はありません。
「もったいねー!!」と叫ぶことでしょう。

何かでちょっとイライラしてる方、
火薬に興味のある方、
是非一度この爆弾ムービーをご覧下さい。



「カットスロートアイランド」 1995年 米

監督 レニー・ハーリン
出演 ジーナ・デイビス / マシュー・モディン
    フランク・ランジェラ / モーリー・チェイキン
    スタン・ショー 他

バックナンバーへ

草すくHOME