至福の3時間 第4回 ガールファイト


今回の1本はそれほど期待していなかった試写会ですが、なかなか満足できる作品でした。事前に期待が膨らまなかったのは監督、出演者の中に「おお、この人が!」と思うような名前を一つも見つけられなかったから。それもそのはず、監督のカリン・クサマは1968年生まれの日米ハーフの女性、ニューヨーク大学で映画を学び、本作品が長編映画のデビューだそうです。
ヒロインのミシェル・ロドリゲスは、オーディションで350人の中から選ばれたのもうなずけるパワーの持ち主です。

ニューヨークのハイスクールに通うダイアナ・グスマンは、学校や家庭でどうしようもないパワーを持て余す日々を過ごしていた。が、偶然弟の通うボクシング・ジムへ行った彼女は、そこに自分のやりたかったことをやっと見つけることができた。ボクシングにのめり込み、同じジムに恋人もできてとても安定した生活を送っていたのだけれど・・・。リーグ戦を勝ち進んでいくと同じフェザー級での対戦相手が、恋人エイドリアンに決まってしまう!!
「何てことだ、こんな事って!どうするよ!ひえ〜!」・・・すっかり映画に引き込まれていた私は本気で慌てふためいてしまった。それくらいスピード感があって、かといって暴走しすぎずにまとまっていて、気分すこぶるよろし。ダイアナがボクシングを通して自分に自信をつけていく様子、時折映るジムの壁に書かれたファイトをあおる文句、全てはボクシング以外の世界でも通じる、ハッとさせられる描写です。
前から好きだったボクシングかもっと好きになりました。すんなり影響されてしまった私は、その夜腹筋、背筋に励んだのですが、20回で気持ちが悪くなってダウン・・・。主演のミシェル・ロドリゲスも5ヶ月トレーニングして撮影に臨んだというから、スポーツはやはり積み重ねが大事です・・・。

ガールファイト girlfight
2000 アメリカ 110mins 監督・脚本カリン・クサマ
出演 ミシェル・ロドリゲス サンティアゴ・ダグラス
2000年サンダンス映画祭グランプリ
5月12日より 静岡ミラノ、MOVIX清水 にて公開

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