第21回 なんじゃこりゃ!?

「桜井戸碑」

JR草薙駅を出てすぐの信号をへ。
最初の信号を左に曲がるとすぐ右に、この碑がある。



「駿国雑誌・駿河誌料」に、
清泉湧出し、旱魃(かんばつ)にも涸れることなく、夏冷冬温。
芹早く生じ、八ツ目鰻を産す。
水神社という小祠の辺りの泉を桜井戸という、桜の古木あり

という記録がある。

安政元(1854)年の大地震により減水し、
明治中頃には涸れ井戸となった。
昭和の区画整理のとき、井戸が道にかかり、埋められてしまった。
現在は、この碑と「水神社」だけを残すのみである。


春には桜が美しい

この「桜井戸」、かつてはお灸の名所として有名でした。
「おでき」「はれもの」に効く、ということで、
明治から昭和中頃にかけて、大変賑わっていました。
両手の手の甲の、母指と人差し指の骨の分かれる部位と、
背中1ヶ所にお灸が据えられたということです。
これが大変よく効くということで、
治療の順番を待つ客のため、「さくら荘」という旅館ができたり、
近くに「さくら井戸」という静鉄(地元の私鉄)電車の駅ができたりという盛況ぶりでした。

残念ながら、現在はお灸による治療は行っていません
治療を行っていた場所は、「桜井戸医院」という病院になっています。

また、「さくら荘」という旅館も、
「さくら井戸」という駅も、現在はありません
国破山河在、城春草木深。
夏草や兵(つわもの)どもが夢の跡 。


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