やぶきた原樹
そこで今回の一品はズバリ「やぶきた原樹」である。
「やぶきた」とはお茶の優良品種のことであり、なんと全国のお茶の
実に約8割ちかくがこの品種から生産されている。静岡が全国に誇る屈指のモノであり、
当然のように県指定天然記念物に指定されている。
並木通り(美術館から南幹線へつづく一本道)を県立大学から 少し下ると、左手側になにやら青い網に囲まれたちょっとしたオーラを 放っている樹木がある。それが「やぶきた原樹」である。
樹齢150年、標高1,9m、数本の継ぎ木に囲まれたその樹木は黙々と緑に輝いている。
「やぶきた原樹」を語る上で避けて通れないのが故杉山彦三郎翁である。
安政4年(1857)に生まれた彼は人生をかけて茶の選定を志し、全国を調査した結果、
明治41年(1909)、51歳の時にこの「やぶきた原樹」に行き着いたという強者である。
「やぶきた原樹」は元々静岡市谷田159番地にあったものを
誕生の地と杉山彦三郎翁の栄誉を永久に称えてこの地に移植したものである。
静岡はお茶の土地だという。その代表選手というべき存在がこの「やぶきた原樹」なのだ。
「静岡のお茶が好きだ」という人は是非一見の価値ありなのだ。