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コラム (第8回)

  甲子園 〜自分と勝負すること〜

 第83回目を数える「夏の全国高校野球大会」が、高校球児の聖地
甲子園球場にて開幕しましたね。高校球児にとってこれほどインパクト
のある単語もないと思います。彼らは全国数千を数える出場校の頂点
を目指すという「夢」を「現実」にするために日々のトレーニングを重ね、
各県の代表校のみが甲子園の土を踏みしめることができるのです。

 ここまでストイックなスポーツ大会が長続きするのはどんな理由が
あるんだろうと考えたことあります?いろいろと賛否両論出てくるの
でしょうが、私は甲子園に大人になると忘れてしまう「何か」が、まだ
「宿っている」からだと思うんです。そう、文字通り、高校野球に
「惹きつけられる何か」、が。

 歴史のある甲子園での夏の大会には数々の名勝負が生まれてきま
したよね。記憶に新しいところでは、第80回大会の準々決勝の第1試合
神奈川代表の横浜高校と、PL学園とのあの試合です。横浜の当時まだ
高校生だった松坂と、対するPLの上重との投げあいが当時、話題を
さらっていったものです。

 延長17回の死闘の末、PLに2点差で「辛くも」軍配は横浜にあがった。
投球数では松坂250球で完投、対する上重も途中降板ながらも力投
という投手戦の色合いが濃い試合でした。

 その日、試合終了時、横浜ナインは涙を浮かべ、またPLの上重に
は清々しい笑顔があった、と当時を知る人達は語ります。
 そんな話を聞くと、「甲子園に惹きつけられる理由」を考えてしまいます。
現代社会では蔑ろにされるが、人間として大切な「何か」が、そこに
まだ存在しているのではないか、と。

 しかし「なぜ?」という分析は他に任せるとしましょう。
ただそういう「聖なる」場所で、神から授かったともいえる球児たちの
ひたむきさ、己の夢をチームの夢として収斂し、非常に強いベクトル
をもって試合に臨む姿、またそれ以上に、若さというエネルギーの
ぶつかりあいに、見るものの一人としては感動を覚えざるを得ないのです。

 それは前述の横浜、PLの両ナインも人一倍感じていたのではないで
しょうか?勝ち負けではない甲子園の魅力を。誰のためのものでもない
自分との勝負。それに共感できるナインとの一体感。ひとに感銘を与え、
後世に語り継がれるのはこのような試合ではないでしょうか。

 人とのコミュニケーションの希薄化が進む現代で、こんな、
生の人間の筋書きのないドラマを見ていると、生きていく目標を持つことは、
やはり必要なんだと再考してしまうんです。
自分との勝負。
勝ち負けも自分で決める。
決めるからには一生懸命に打ち込む。
その結果は素直に受け止める。大切なんだなぁ。

 こんなことを考えている間も試合は進んでいきます。

 …試合開始のサイレンが鳴り響く。
 
…蒸せるような熱さの中、主審のかけ声ともに球児たちは
グラウンドに散っていく。

…アルプススタンドから「郷土のヒーロー」には
絶えずエネルギーが送られる。

…白球が高々とセンターを超える時、甲子園の空気は一瞬、
その白球に呑まれる。そして球場の空気の雰囲気が一変する。

…ガッツポーズの球児、マウンドにうなだれる球児。
運命はそういう形であらわれる。

 今年も役者揃いの甲子園。寝そべって見てしまう甲子園中継はそれ
でもありがたいものです。
 
 高校球児の皆さん、がんばってくださいね。
 エネルギーを分けてもらいます。

                      marucchi

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