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第9回 商店街と一緒に消えていくもの

日本全国の商店街が「シャッター街」化してきているようです 。
それはなぜでしょうか。

1.郊外に車で行けば大きなショッピングセンターがあり、そこでなんでも揃ってしまうこと。

2.インターネットの発達により、でかけずにモノを変える時代になったこと。

3.商店街の店主たちが高齢化してきており、それを継ぐ若者 がいないこと。

 こんなところが主な原因に挙げられると思います。

 確かに、買う側の立場に立ってみれば、一軒一軒店の中に入っ てモノを探したり、なんだか薄暗い店内にヨボヨボのばあちゃんが手を震わせながらお釣りを探しているのを心配したり、雨の日などは傘をあけたり閉じたりしながらまわったりするのは 面倒だしいまひとつかっこよくありません。

 たとえば、東京の渋谷から西に延びる沿線に住んだりする若い女性をターゲットとするマーケッターは、彼女たちがたとえ生活必需品であれキレイかつオシャレで老いや汚れを感じない場 所でかっこよく買うことを知っていたり促したりしています。

 それはそれで良いにしても、私たちは商店街の消滅と共に、とても大切なものを忘れていってしまう気がして残念です。

 いつも行く八百屋さんのおっちゃんが、キャベツ選びを悩んで いるとわざわざ取れたての新鮮なものを持ってきてくれたり、 定食屋のおばちゃんがカツ丼を大盛りにしてくれたり、駄菓子 屋で子供におばあちゃんが話しかけてくれたり・・・
そこにあるのは「お金を儲ける」ための商売ではなく、「みんながちゃ んと生活していくための」商売だったのではないでしょうか。

 その場所に住んでいて、その場所を愛していて、その町を育てていくためのお店。これはどんな大きなショッピングセンターにも真似できない武器です。

 時代が変わるにつれて街も人も変わっていきますし、商売のあり方も変わっていきます。

 中には廃れ行く店を放置するだけの目が朦朧としている店主や 、やたらと外国人に偏見をもったり、女性が来る途端鼻の下を伸ばす店主もいるでしょう。あるいは、いるだけで魂が弱っていくようなゴーストタウン的商店街もあるでしょう。効率的な経営と、生き生きとした空間の一つの形はショッピングセンタ ーにありますし、商店街ありきと言う一方的な考え方も時には見直しつつ、ショッピングセンターやコンビニが地域と手を取り合うことももっと促進するべきでしょう。

  いずれにしても、住民がどうやって自分たちの町をつくっていくのかを考える努力をしなくては、時代の波に大切なものまで 流されていってしまうのではないでしょうか。

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