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第6回 たまたまを大切に


 先日中日新聞で、地域密着型の勉強を勧めようとする学校があると載っていました。詳しいことは忘れましたが体験学習など地域の人々と積極的にコミュニケーションをとる学習方法らしいです。

 ところが、これに反対する親たちがいて学校側は対応に困っているらしいのです。何故かというと、これも詳しいことは忘れましたが(その辺は対した忘却ではないのでご勘弁を)、何らかの事情でこの学校には地域外から通う子供たちが多いらしいのです。

なるほど〜、納得! 確かに住んでいるところとの協力は大切ですが、たまたま日中通うだけのところの地域と協力しても意味がありません。将来職場に着くのは違うところでしょうし、町内会などのつきあいもほとんどないでしょう。それより、少しでもいい職業に就くための、あるいはいい学校へ進学するための勉強が大事です。 

と、思う人もいるかもしれません。しかし、本当にそうでしょうか? 確かにたまたま通って勉強するだけの場所なのですが、その「たまたま」が大事なのではないのでしょうか? 学校が建っている場所周辺にも地域コミュニティーがあり、通学時もいろんな人が見守ってくれます。 学校給食も地元の人がつくってくれるに違いありません。 少し近くのお菓子屋さんに寄り道することもあるでしょう。 もしこれらを「たまたま」と言う名のもとに切り捨ててしまうのだったら、自分の住んでいる地域もまた「たまたま」に過ぎないことになります。

地域の人との結びつきは「たまたま」から始まって強い結びつきへと発展していくことでしょう。それができるかできないかはどんなに小さい関係でも、どんなに短いつきあいでも尊重しようとする姿勢にかかっているのではないでしょうか?

 

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