ヴァーチャルリアリティーと言う言葉が世に出て随分たちました。「仮想現実」と言う訳語が示すとおり、これは高度のコンピューター技術の発達が可能にした「人工的な現実」の事です。例えば、TVゲームではあたかも自分がその世界の住人になったかようにゲームの世界の中で様々な行動ができます。最近出た『ファイナルファンタジーXT』ではゲームの中であるキャラクターとなり、遠い所にいる他人のキャラクターとコミュニケーションがとれ、また、しばらく前に流行った『ときめきメモリアル』では、高校生となって高校生活の恋を疑似体験できます。 これらの現実と仮想が入り乱れる事態をどう感じますか? 仮想の楽しさに何の疑いももたない人、仮想=偽物と判断して毛嫌いする人、両者をうまくとり入れたい人、そしてどうでもいいと考える人…いろんな人がいると思います。 生きる上での最重要課題を現実とするのなら、そんないわゆる仮想の出来事ですら、心の中で大きな位置を占めるとなるとれっきとした現実です。そして、身の回りの事や、自分の住んでいる地域の事などは興味もないし、最重要課題からは遠く離れてしまいました。まわりの事など知らなくともあまり日常生活に問題はないし、昔のように助け合わなくとも生きていけるからです。
地元・地域とは、生きる事と密接に結びつく最も近い「場所」と言う名の「現実」です。「場所」の問題が徐々に薄れつつある今、一度立ち止まって地域を振り返る意義を考えてみませんか? 何故なら、私たちが今いるこの場所がもしなかったら、私たちはどこでもない「場所」でフワフワと漂う事になりかねません。存在自体が不可能になるのです。 ジョニー |
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